この模様は本当に視力を回復させるのか?
視力をトレーニングするゲームを作ったので経緯を説明したい。
www.extreme-eye-exercise.com/ja/
例えば以下の記事を探っていくと、ガボールパッチと呼ばれる模様を注視する事によって脳の視覚野が調整され、視力が向上する可能性が指摘されている。
どうやらガボールパッチ(Gabor Patch)とは、サイン波にガウシアンをかけた模様のことらしい。
なるほど。
つまりこれをポピュラーなゲームに適用させられたら、積極的に画面を見つめることによって効果が高まるのでは、と思ったのでやってみた。
案1. Flappy Gabor
魂の13点。
どうやら失敗のようだ。周辺視野で主人公と土管を捉えてしまうようで、模様を全く見ていない。そして、あまりに難しすぎて、ストレスがひどい。
案2. Gaboris
ただのテトリスだった。だが、テトリス的な興奮が無いといえば嘘になる。
プレイしてみないと判らないことだが、模様を色の濃淡としてしか捉えていない自分に気がついた。これも違う。
案3. Gabor Crush
おや?
これは・・・可能性を感じる!
画面全体に視線を移動させながら、同時に模様も注視する必要があるため、かなり感触が良い。ちなみに、これが駄目だったらSuper HexagonをGabor化しようと思っていた。滅びへの道はそこかしこに開いている。
なお、これら数種のプロトタイプを含めたゲームの開発にはCocos2d-JSを利用してみた。特にFlappyGaborとGaborisについては既存のコードを利用させて貰ったことを付記しておく。
Cocos2d-JSについては、2Dゲームについては全てこれで作るべきだと感じるほどのお手軽で謎なテクノロジだと感じたが、利用している開発者が少ないため、ハマった時の解決策も少ないように思えた。ブラウザでは動作するのにスマホエミュで動作しないこともたびたびで、その際に適切なエラーが表示されないのは困った。
あと、動的にビットマップを生成してそれをSpriteにする方法が未だに判らないので、誰か教えて下さい。
といった曲折を経て、完成したので公開する。
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いわゆるマッチ3パズルだが、模様の大きさが変えられる。
色を変えたり、3D立体視としてプレイすることも可能だ。
このゲームは、どういったプレイ方法が最も効果的なのか、模様の大きさや色は何が良いのか、各々のベストプラクティスを報告して貰うことを目的としている。もちろん、効果がまるで無かったという報告でも良い。ブラウザでもスマホでも遊べるので、是非プレイしてみて欲しい。
1日10分〜20分程度、週に3〜4日のプレイを推奨。ネガティブな効果があったらすぐに利用を中止すること。なお、「視力トレーニングと効果音」についての特許が出願されているようなので、本アプリでは念のため効果音やBGMを排した。
そして、調子に乗って英語と中国語簡体字に対応させてみた。
翻訳はCrowdWorks経由でネイティブの方にお願いしたのだが、アプリの登録の際に要する画像の数が3倍に増えるという苦労は予見できなかった。
ただ、
ガボールパッチについては、適切な中国語が見つからなかったです。これに関連する文献をいくつか読みましたが、Gabor Patchという風に、英語のままで表示することがほとんどでした。このガボールパッチは物理学者の名前から由来した正弦波の刺激パタンだそうですから、勝手に「加博尔函数波纹」という名前を付けました。
このヘンテコで素敵な言葉が、この地上に生まれたのは少し嬉しい。
よろしくおねがいします。